よわいひと/あおさか
 
中の何もかもがうっとうしくなっちゃって、しまいには自分の存在がうっとうしくてたまらなくなって涙がぼたぼたとこぼれ落ちた。ふわふわの小汚いこたつ布団と指が涙で湿ってふにゃふにゃにふやけてしまった。昔の男がここにいれば、しょっぱい涙がつたうわたしの頬をべちゃべちゃとしつこいくらいに舐めてくれただろうに。思いっきりおなかを蹴ってやったらもっともっとっていって勃起しながら呼吸を荒くするだろうに。世界には君が必要なんだよってうっとりした目でわたしを見つめながら言ってくれただろうに。

結局わたしが持っているものなんて何にもなかった。最近得たものなんてそこらへんにいた怪しいおばさんから買い取った幸福をもた
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