ヨワクハナカイゲンジツ/葛西曹達
吐く息の白さと
鳴り止まないアラーム
泳ぎ疲れた夢の中
出ない声で出るモーニングコール
堕落へつながっていると
知っていても手を伸ばす
ジャングルジムの攻防戦は
まだ続いているようで
僕はずっと鉄棒に腰掛け
眺めているだけだった
脈絡あるものへの
抵抗の意志と倦怠感
弧を描け
淡く太く滑らかな線で
結びつける事実と虚構
未開の地などありはしない
ここにいることが全てさ
使い古された言葉で
目をじっと見つめて
存在を確かめている
どこにも行かないなんて
言い切れないはずなのに
ヨワクハナカイゲンジツに
僕らは寄りかかっている
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)