ヨワクハナカイゲンジツ/葛西曹達
 
吐く息の白さと
鳴り止まないアラーム
泳ぎ疲れた夢の中
出ない声で出るモーニングコール

堕落へつながっていると
知っていても手を伸ばす

ジャングルジムの攻防戦は
まだ続いているようで
僕はずっと鉄棒に腰掛け
眺めているだけだった

脈絡あるものへの
抵抗の意志と倦怠感

弧を描け
淡く太く滑らかな線で
結びつける事実と虚構
未開の地などありはしない

ここにいることが全てさ
使い古された言葉で
目をじっと見つめて
存在を確かめている

どこにも行かないなんて
言い切れないはずなのに
ヨワクハナカイゲンジツに
僕らは寄りかかっている

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