クリーム色 バルキントン/a
 
紀行(2003 川出書房 207頁) カワカマスについて

 道徳もなければ、信仰もなく、友達もいない
 ということを魚について指摘するのが重要で、このように、日常の細部に見える悪意を明確に指摘できることが第一(偶然によってつくられた状況に何の恩寵もかんじられず残虐さしか見えないなど)、つぎに

「運命がわたしたちにくだす試みを、辛抱づよく、じっとこらえて行きましょうね。今のうちも、やがて年をとってからも、片時も休まずに、人のために働きましょうね。そして、やがてその時が来たら、素直に死んで行きましょうね。あの世へ行ったら、どんなに私たちが苦しかったか、どんなに涙を流したか、どんなにつらい
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