ジョーイとロザリー/ホロウ・シカエルボク
げていたなら階下で眠っている両親が気づいたかもしれないのに
朝になっても降りてこない兄妹を不思議に思った母親が屋根裏部屋で見たものはぼんやりと立っている兄のジョーイと、血の海の中でうつ伏せて息絶えているロザリーの姿だった、窓を固く閉ざした薄暗い屋根裏部屋で、それはまるで行われてはならない儀式のように見えた―ああ、ジョーイ―あなた、あなたはなにを―…ママ、ぼくたちはゲームをしていたんだ、ぼくたちはゲームをしていただけなんだ、そしたら、ロザリーが…―ジョーイはそれをまったく無表情で淡々と話した、うろたえた母親が尻もちをついた、ジョーイの右手には肉を切る為の包丁が握られていた―「ママも、やる
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