夏の宝物/
草野春心
木々のそよぎ、
風が通り抜け、
夢の気配、
朝露、
日は差し、
蝉の声、
水が匂い、
きみと歌をうたった。
なくさないよう、
こぼれないよう、
この記憶が、
ほどけないよう、
夏の鞄を、
きつく抱いた。
くだらない夏の、
くだらない宝もの、
きみへの、
物語、
愛、
あふれるかぎり、
きみと歌をうたった。
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