モラトリアム/番田
誰もいない夜
何かをしようと思っている 私は
私の思いをそこに巡らせた
ああ これから どこにいくというのか
流れる風の中だった 君の
老いた体だった 私は今日も
ひとつとしてわからないけれど
私は 死にたくはないのだ
誰かに出会えたならうれしい
冷たい 冬の 凍える街を歩いた
ここは 夢の中だった
私は 赤いセーターを着させられた
君の服は
そんな 寂しい感情である気がした
知らない国の 素敵な香りだ
何一つとして 知らない世界の
*
流れゆく 自分の中の とりとめもない
はっきりと 私の脳みそに 聞かされた
ファミコンをしている 部屋で
その ゲームの 音楽の明るさが 寂しい
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