「碁を打つ女」から日本文学界の無意識な排他性に気付く/はらだよしひろ
「碁を打つ女」という小説を読んでいる。原作はフランス語。でも、書いたのは在仏中国人、で、舞台は満州国、主人公は日本軍士官と中国人少女。ちなみにこの小説、フランスの最高の文学賞である「高校生(リサ)が選んだゴンクール賞」を受賞している。
結構気軽に読める。というか、こんな恋愛が当時の満州で成立しただろうか?と疑問。それだけ時代に廃れていない。間違いなく当時を経験していないから書ける作品。
で、日本軍士官が出てくるから、日本のことも描かれるわけであるが、なんかちぐはぐ。
うーん。なんか複雑。瑞々しい感覚と、著者にとって第二外国語であるフランス語を媒体としているから、どうしても錯誤する
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