妙で寂しげな演奏家/
番田
一人もいない 部屋の中で
私は 一人の 孤独な演奏家だった
音楽を そこで 奏でている
手紙を 一人で 読んでいた
終わることすらない 遠い日の 手紙として
何度も いくつかの文字に 目を流している
私は それを 読んでいた きっと
季節をそこに 感じる
一つもわからないことばかりが
見えなくなっていく 妙な 寂しさ
知らないものばかりがどっと溢れ出した
一人で 感じている 音楽を
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