あるペインターの帰宅/番田 
 
人のいない私は
一体 私は 誰だろう
眠りに落ちていく 
風の行方を見させられた


自分の外に
一体 白い壁の前で 何をしている
夢を見ている 
私は見させられている


黒い 夢を
そこに 薄ら笑いを 浮かべている
手にした瞬間
生きていく 夢の中で


灰色の服の 目の前で
着ていた 黄色いツナギを 一人で 


流れる 世界の彼方に
見ていた ひとり 鏡を 


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