ノート(ひとつ けだもの)/
木立 悟
誰かが居るのに誰も居ない家
燃やしはじめて国が消えた
隠し廻り 塗り廻る
罪の歩幅の夢から覚めても
二本の足はぬかるみに在り
あとの二本も肥溜めに在る
けだものよ
まばたきに牙持つけだものよ
毒の糸であればあるほど
応えぬ銀河に口つぐむのだ
花を燃やし うたしたたらせ
傷の発芽 傷の羽
どこまでもどこまでも
非対称の空 放ちゆく
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