ノート(ひとつ けだもの)/木立 悟
 






実が実を噛んで
光は動く
うねるかたちが
午後をなぞる


あたたかい布
罪びとは
そこにそのまま
あたたかいまま


咽 骨 頬
まるい羽
かたちを内から押すかたち
湾の白 曲の白


夜も午後も朝も昼も
落とし子の落とし子の落とし子と
さげすまれても
ひらきつづける


名残りの息を肩にかけ
銀から土に抜けようとする
衛星の運行
まぶしすぎる近似値


抗うものから染み出す金に
常に常に緑は応え
午後をひとつの帯にする
方も向も失く行き来する


足りない水に鉛をそそぎ
沈む熱こそ視線の証
誰か
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