ダイヤモンドは朝に眠る/アラガイs
*
誰しもが寝静まる夜中にひとり風呂に浸かるわたし
それは
ぼんやりと黄色い灯りにきらきら輝く夢の粒をみるわたし
薄汚れた鏡に張りついた滴のわたしが不幸に見えるのは、もう一人のわたしがいるからに他ならないの
だから
幸せになるなんて
思ってみてもはじめからわからない
のんびりと、湯煙のなかにもう一人のわたしが表れてきて
わかっていたのよ…
まわりは偽善者だらけで
いつも
考えては逃げて/逃げては考えてばかりの夢が邪魔をする 。
…そうだよ
朝なんて 他人の顔色を伺うためにあるのだから
来ないでくれよ もう朝なんて…
輝いて
このまま
眠りたい
*
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