冷たい季節/ホロウ・シカエルボク
 



私は膝に子猫を抱いている
二日前に死んだ子猫
それはすでに腐敗している
私の腕からその猫の肉体が垂れ下がっている


私は歌を口ずさんでいる
題名が思い出せない歌を
唇をきちんと振動させることが出来ないと
歌うことが出来ない難しい歌を


12月の夜の窓の外は
二度と帰れない世界を想像させる
死んだ猫の臭いを嗅ぎながら
私はそこに住処を構えることを呆然と考えている


強い風が窓を揺らすの
私はまるで狙われているみたい
薄雲にまぎれた狙撃手が
強い目算で私の眉間をきちんと捉えている気がするの


蝋燭の灯り
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