使命/
吉岡ペペロ
オリーブオイルの入ったビニール袋が
ちりちりと音をたてドアノブにかけられた
時間がなかった
呼び鈴も鳴らさなかった
ビニール袋だけが<存在>だった
胸のいたみは弾痕になっていた
まだひきつれていたけれど
夜風を感じる余裕ができていた
<存在>を見届けることが
どうやらぼくの使命のようだ
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