その日まで/寒雪
 

太陽は昇りきみはぼくの前に現れて
挨拶の言葉がかすむほどの笑顔を
ぼくに毎日与えてくれた


短かった出会いの時を済ませ
太陽は完全にいなくなって
辺りは瞬く星空の零れそうな輝きと
ぼんやりと照らす水銀灯の薄明かりだけになった
相変わらずそばでブランコに揺れるきみ
明日にはぼくのそばを離れて
遠く遠くに旅立ってしまうかもしれない
可能性の低い想像に思わず涙ぐむ
ぼくの気持ちを知ってか知らずか
きみは無邪気に笑顔を返す
旅立ちの日に後悔しないで
笑顔で送り出せるように
ぼくは何度も心の中で
きみの笑顔を逃がさないよう抱きしめる
それしかできないのだ

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