半旗/生田
 
 ディスプレイ横に貼り付けてあるタックメモにはやるべき事とその期限が書き込んである。キーボードのエンターキーを押して、ガガガガ、とプリンターが鳴り出すと同時にタックメモを一枚はがした。あとやることは、と考えて、今すべきことの殆どをこなしてしまったことに気づく。睡眠時間ばかり増えていくよ、冬だからとか、友達がいないからとかじゃなくて、やりたいことが余りにもなさすぎて、だ。

 掲げるべき時のない半旗を、枕カバーにして、ついでにいえば低反発枕で、半分くらいうまった頭の皮膚が、気持ちいいって脳に伝えてる最中に今日消えていった知人のことを考えるんだ、それも脳みそのどこかでね。彼女がどうして消えたか、い
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