サークル仲間とカラオケボックス/番田
と、私たちはそばの女の子と抱き合ったりしていた。隣の子は王道のユニクロ製の服かもしれなかった。この間セールで触れたことのあるメンズのTシャツと同じ品質だった。袖口のところから手を入れるとむにむにむにむにした感触が手を伝わってきた。髪の毛が鼻の穴に入ってシャネルの香水の匂いがする。
「もうすこし服にも金をかけた方がいいんじゃねえか」
といってもかれらもアニソンばかりでまったく誰の歌にも耳を傾けていないという具合なのだ。馬鹿げた時間がどんどん過ぎていく。コーラはぬるくなっていて隣の女友達の太ももにのせると、泡の池ができていた。
「やめてっ」
私は疲れて天井を回るミラーボールを眺めた。虹
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