時の溜まり場(七)/
信天翁
習慣性流産を繰り返していたのに
なんという迂闊さだったのでしょう
半世紀 経ったいま
やっと気がつきました
物置の奥で埃をかむったままの
ひびわれたトロフィーがあったことに
あぁ ウラノスにむかって
痙攣する幻燈の傍らから
フェアリーが呪文をうなっているのです
そして
硬直する走馬灯のなかから
スフインクスも何言かを叫んでいるのですよ
戻る
編
削
Point
(0)