夏の公園/いてゆう
 
いた
ミミズたちは 裸になって 懸命に
闇を食べ続けていた
ちょっと 風が強く吹けば
見えそうだった
純白のやさしい風が吹けば・・・
並んで 三日月の船に乗って
静かな深い海を渡り
昼の世界まで行けたのに

暑い毎日
光と影が流れていった
僕は地面に張り付いた
駐車場の石のひとつだったけど
いつも
地面に
転がり
彼女のことを考えてたり
空を見たりして
一日を過ごした

一度だけ
彼女が
空の
裏と
表を
縫いながら飛んで行くのを見た
ような気がした
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