空腹の蜘蛛/はるな
 
ため息をつくくらいの間だとおもう
突然で唐突で、空気でできた蜘蛛みたいだ
わたし自身が幸福でいるためには、空腹の子どもを追い出さなくてはならないかもしれない。
みちたりることと、幸福でいることは少しちがうし、たとえばそれは、右手と左手のどちらがかなしいかと問うようなことだ。それにしたって左手をかばって働くから、むしろ右手のほうが汚れていた。いつも。
そういう性質は変わらないのだろうなと思う。空気でできた蜘蛛。



戻る   Point(1)