線路沿いの春の日に/鵜飼千代子
今日も変わらず笑っているよ
こころを閉じているからね
ひとみを閉じているからね
ゆっくりと後退りのようすで
おいき
光の当たる場所へ ね
もう うらんでいないよ
もう あやまらなくて いいよ
おやすみおやすみ
しあわせにおなりね
また 電車が来たよ
線路をキィと鳴らしているよ
がたんごとんと通ってゆくよ
また春が やってきたよ
1998.03.09. YIB01036 Tamami Moegi.
初出 NIFTY SERVE FPOEM
WEBミニ詩集「ほんのちょっぴりわかったこと」所収
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