過去 未来 河川敷 黒くて寒いでたらめ/竜門勇気
ででもやり過ごせる
いつまでも変化のない河川敷だ
僕たちはどこへ行こうとしてるんだろう
君と二人
一人ぼっちで歩いてる
爪の先に咲く花って聞いたことある?
あのキノコは食べれる?
寒い日は粒の匂いがするね?
ねえ
死にたくなったら死のーか
死にたくなったら全部過去にしようか
過去の棲む場所は
いつもすぐそばに見えて
いまにも肩を捕まれそうで
何度も振り返りながら
僕らは逃げてしまうけど
過去の腕は背中についていて
あまり知られてない事だけど
未来に顔を向けていれば
絶対に僕たちに触れることは出来ないんだって
とりあえず
死にたくなったら死のーか
死にたくならないようにしながら
過去の自分が帽子を手にとって
迎えに来るまでのほんの少しの間だけ
死にたくなったら死のーか
あの花はなんて花?
黒くて寒い水をなんて呼ぶ?
そんで
いつかきっと二人で河川敷を歩こう
手を繋いでぶらぶら
ほら紫色の花が咲いた、とか
あんなの何の意味もないでたらめさ、とか言いながら
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