成分分析/たもつ
 
 
 
瞬きが景色をつくる
壁面に反射する光
戻ってくる
街路樹の梢たち
人々の独白は
磁器を数える単位となり
いつまでも終わらないので
扉は貧しい影の所有者となる
そして形はいつも
識別するための記号に過ぎない
隙間の空いた風を吸い込み
気がつく
私を組成するものは
砂鉄であると
 
 
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