あなたへ/yuko
拝啓
これは、私があなたに宛てた最初で最後の手紙になるでしょう。こちらはもう随分と日が短くなって、丁度今、夕暮れ時です。秋の冷たい風が銀杏の葉を染めて、歩道では銀杏がずいぶん潰れてしまっています。
窓の外に目を向けてください。アパートの正面にあたる道路では、バスから降りる人が列をつくって、ぞろぞろと行進しているのが見えるでしょう。列が列を作り、途切れることなくいつまで続くのでしょうね。其れを数えるのを生業にするだれかが、いると聞いたような気もします。
道のあちこちで動物が死んでいて、彼らの眼はことごとく白濁して、なにも見えないようです。あなたがたは彼らの腕を、足を、折り重ねて焼
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