ゼロ地点、もしくはエデン/ホロウ・シカエルボク
雨の底の
底に
俺は沈んで
終わることのない
脳髄のノイズを聴いている
時間は混濁して
精神は
幾年も日向で放置された
古い
毛布のようで
肉体と刺し違えた
傷が
膿んでは
鈍く痛みだす
物体ではないから
治癒し辛い
始末が悪い
雨の底で
底で
目を開いて
映るものは
直線を欠いた
輪郭と
なんらかのマイナスについて語る
音
音
音のまだら模様
静かに
静かすぎて
囁きと呼ぶことすら
躊躇う
こすれながら消えた
思念の名前は自我
ペンチで抜かれた歯のよう
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