並んで帰る道/西日 茜
 
「何もいいことはなかったよ」
この瞬間
君と帰る道のりが
虚無のはじまりだと気付く

無から生じてしまった
先の見えない
迷走
求めるものと
逃げゆくものが
交差しかけ
まさぐり
絶望の淵でこころを見つめ合っている

並んで帰る道は
けっしてクロスしない平行線
さまようアリス
大切なひとことが言えない
上手にさよならもできない

ルミノスの薄透明な日暮れに
気がつくとひとり
群青の空が落ちてくる
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