今もある風景/番田 
 

自分を感じた
夜のどこかに 人間を見た
人間に失望させられた
朝の来ない 夜のどこかで


携帯電話を ひとり いじっていた
ツイッターに並んだ文字
有名人はまだ中で会話させられていた
じっと 窓の彼方を 私は探していた


真冬のきらびやかだった
人の見あたらない喫茶店のテーブルで
あの日 私は中年の男と面接していた
高いコーヒーを 見つめ続けていた


枯葉の取り払われた 寒々とした 浜松町
あの夜を私は静かに歩いていたのだ
タクシーの飛び交っていく
首都高速の真下の空を

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