冬に芽吹いた新世界へ/
within
年が震え始める
轟く雷鳴が海溝を裂き
溜まった澱が舞い始める
私は流れに逆らうことなく
群れとともに泳ぎ続ける
海の色に染まり
夜の星をはね返し
月光に鱗片をきらめかす
うすっぺらな安らぎと平和は
たったひと言で終わってしまうけれど
まっくら闇に飲まれた稚魚が
たった一匹でも生き残れば
それは希望に違いない
ちっぽけでも
希望だけが
再び私を揺り起こしてくれる
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