さしすせそ/小川 葉
 
どいかえしで
いきものを
つれていくのだ

しかしよくみると
し、は
はなのかたちにもにている

あれはもしかしたら
はなのにおいをかぎにきた
はななのではないだろうか

しのくにから
いのちを
なつかしみ
はるばるやってきた

しのように
し、は


(す)

す。

いま
おならがうまれ
おならがしんだ

いきる
ということは
それらをうけいれ
みとどける
ことだった


(せ)

かいが
せかいなのである

からに
とじこもるとき
はじめて
そとがわも
あるとしるから


(そ)

かなさんが
さかをあるくとちゅう
そ、をひろった

そ、かな
といった

だれかに
そうだんしたかった
そのおもいを
いつもきいてくれた
そのひとに

もういないから
かなさんは
ひとりで
さかをあるいていく

そ、と
いって
 
 
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