『ガンダラ』/et ceteras
ぼくは、旅に出る。
そのために
いろんなものを集めて、とりこぼしてきた
仲間はいない。
けれど 不思議と寂しさよりも
傷つける怖さをなくしたことに安堵している
帆をはった船をだそう
この街一番の港から。
オールをにぎってはなさない
それはちょっと自分にかけたプレッシャー
ぼくは、旅に出た。
縮む故郷へ背を向けて
意地っ張りな弱虫連れて
一人になった
いつだったか
仲間の印に貰った羅針盤
それだけを懐にしまいこんで
後は全部おいてきた。
海へかえることは容易い
けれどもそれをしないのは
意地っ張りな弱虫が
邪魔なプライドを連れてきたから。
決して、ぼくが悪いんじゃない
明日には最初の旅が終わる
名残惜しいが引き返す航路は知らない。
だから前へ進む
例えばイバラの道にさえぎられても
傷だらけで良い。
もう、どうでもいい
帆をはった船をだそう
意地っ張りな弱虫と
邪魔なプライドぶら下げて
ぼくは行くんだ
いつか約束したはずの
きみがいない夜明けの街へ
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