眼/葉leaf
私は眼を鑑賞する////壁の空いたところに三十万円で購入した生きた眼を植えつけたのだ////まばたきをすることによって眼は私から知識を食べていく/そのときの私の軽い疲れの顫動をも眼は知識の尾として食べる//眼はまばたきの強さの微妙な違いを色相としてまぶたの裏に知覚する/まぶたの裏は力の海だからだ///私は眼のまばたきのリズムを楽しむ/音のない楽器だ//私はまばたきの速度には三段階あることに気づいた/速い順に管楽速・弦楽速・打楽速と名づけた////眼が開いているとき時折まぶたと睫毛が震えることがある/眼は自分を攪拌し刺突する幻に耐えているのだ/震えによって眼は幻を幻の幻すなわち現実に変えてしまう/だ
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