風の音/フクスケ
 
風のある夜更けの
犬の遠吠えを
耳したのは
いつのことだか
もう 思い出せない
木枯らしが
枯葉をサラサラ
いわせて
どこかに
連れて行く
地図から消え失せた
どこかへ
曖昧に
痕跡を
闇に拡散させ
足音が遠ざかる
…いつか
風は
止んでいた

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