からっから/うんち
本を持ち歩いてる男爵様は、右肘のかさぶたの開け閉めを怠らない。閉めた侭にすると
48時間内に、この彼の帰らないお家、かならず天井から、ふんわやんわやわらかな霧が舞い降りる仕組み。もし南東の書斎がふんわやんわにヤられたなら、はいおめでとさん彼の脳みそは見事黒トリュフになっちまうんよ。だから 怠らない、今日もガリガリ。
床の下からはそう、庶民の温度を殺すべからずって奇声。やっき たちが群れはじめているのは、男爵のせいじゃない、難解なクエスチョンがこの中ぐらいの街を覆い出したのは
実際人間の仕業ではないのよ。
どうして男爵も民も現在地面からオドロオドロ響きだすこの重音が耳に入らないのかしら?けれど重音の仕業でもないのよ?
翌朝の8時20分になればみだらな女の子は、髪にクリームをつけてお家を飛び出し、空は晴れたからっからの青。
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