親ごころ/吉岡ペペロ
こどもが殺されたりした親は
なんで犯人を殺さないのだろう
こどものころ不思議だった
なに悠長に裁判なんかやってるんだ
犯人なんか八つ裂きにしたらいいのに
でもそれは
僕が勝手に空想していた親ごころだった
親みずからこどもを捨てたりするのが現実だった
動物が生きるイコール飯を食うことであるように
親たちはじぶんの気持ちを大切にすることと
お金をかせぐことが生きることだった
でもそれも
僕が勝手に空想していた親ごころだ
僕じしんひとのため以外無茶などしないのに
世間からはそう見られてもいないのだから
こどもが殺されたりした親は
なんで犯人を殺さないのだろう
こどものころ不思議だった
なに悠長に裁判なんかやってるんだ
犯人なんか八つ裂きにしたらいいのに
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