午後の辺/
木立 悟
水の上の
白と黒の火
水に映らず
流れてゆく
森の奥を
森が動く
双つに分かれ
遠去かる
枝が描く枝
重なりのむこう
途切れた道のむこうに
無い森がつづく
水をすくったままの手のひら
ずっと空の頂にある
曇が
静かに鳴っている
風 声 鉱
揺れている
見えないものが
揺れている
ふちどりのまたふちどりが降り
手のひらは水をこぼさぬまま
踏切の上の
空を染める
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