カラフルなえんぴつが/tutty
 
ほこりの匂い、黒板には雑巾で拭いた跡、汗と赤ちゃんの匂い、小さな机に折り紙が入っている、F1の描いてあるカラフルなえんぴつが転がっている、壁の黒ずみは小さな手に触れる高さ、しの字のフックに体操着がかけてある、赤と青の混沌と出席番号順、足踏みオルガンとマリンバが好きだったな、彫刻刀と絵の具に飾られた大きくて真っ黒な机、あれは絵を乾かす台だぜそのためにあるんだぜ、窓から屋上にのぼれるのは最後に知ったんだった、手を振る友達が不思議だったんだ、暗くなっていく廊下に明かりが伸びていく、ピアノを弾く女の先生、給食係りは牛乳の瓶口を触るのがいやだった、早く遊びたかった、放送係は名前を校舎に響かせる愉悦があった、こんなに背の低い蛇口だっけ、この何番目かが何故かお気に入りだった、図書室、まず一番上の段の一番ぶっとい本を借りた、オセロが好きで飽きずにやったな、廊下を滑りながら階段は踊りながら、一つ上がると六年なんかすぐ卒業、こうして君がその机に座ってこっちを振り向いたら、何故大人なんだろうって考えてた

ここに、キミとぼくがいたんだ

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