ギソク W島綺譚の章 /ハイドパーク
 
トした
彼女は一瞬の躊躇の後
「わかった、熟女趣味やのね。
2万でどう?」
交渉は成立した

毒気のさっぱり抜けたこの老人
本当にあのばばあなのだろうか
俺のことも全く気づいていない様子
まあ
俺にしたら彼女は
ワンアンドオンリー
けど彼女にしたら俺は
何千本の1本にすぎない訳だし・・・

足の不自由な俺を
甲斐甲斐しくフォローし
木造2階建て古アパートの1室へ
誘っていった

薄暗い部屋に入ると
つけっぱなしのラジオから
「トイレの神様」が流れていた

続く

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