ドラえもんのいない世界で /服部 剛
のび太君はいつも
スネ夫にからかわれては
頭が煙の昇るエントツになるものの
テストや体育の時間になると
何故だか決まって、負けるのです。
そんなスネ夫にも
時折気まぐれの風が吹いて
(のび太、ほら、シュートだ!)
と、絶妙なパスをくれることもあり
(スネ夫にもたまには、感謝しなきゃなぁ・・・)
と、タイムマシーンの机に頬杖ついて
しみじみ・・・思っているのです。
時々上映される映画館のスクリーンの中だけ
のび太君はジャイアンよりも、強くなる。
けれども読者の胸を最も震わせたのは
ドラえもんが始まって間もない頃の話
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)