ドラえもんのいない世界で /服部 剛
 
のび太君はいつも 
スネ夫にからかわれては 
頭が煙の昇るエントツになるものの 
テストや体育の時間になると 
何故だか決まって、負けるのです。 

そんなスネ夫にも 
時折気まぐれの風が吹いて 
(のび太、ほら、シュートだ!) 
と、絶妙なパスをくれることもあり 
(スネ夫にもたまには、感謝しなきゃなぁ・・・) 
と、タイムマシーンの机に頬杖ついて 
しみじみ・・・思っているのです。 

時々上映される映画館のスクリーンの中だけ  
のび太君はジャイアンよりも、強くなる。 

けれども読者の胸を最も震わせたのは  
ドラえもんが始まって間もない頃の話  

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