僕にヒゲが生えていた頃/たもつ
 
う一度僕はヒゲを生やそうと思う。
建物や人には他の所に移ってもらって
もう一度。
きっかけがあったわけではなく
おそらくそのような時期
年齢や周りの環境や今後のことなどを勘案して
そのような時期にきているのだと。
あなたがヒゲを撫でてくれなくても
気まぐれな風が撫でて行ってくれる。
もちろんそのぬくもりは違うけれど
あなたがいない、ということが
あなたそのものであるということを
ずっと忘れないために。
 
 
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