イン・ザ・祭り/真山義一郎
 
旦過市場を抜けたはいいが
山を越え
谷を過ぎ
ここはどこやねん
ぐるぐるぐるぐる
廻る道
これがニーチェの言っていた
永劫回帰か
あほんだら


天と地におけるありとあらゆるものを
罵倒していると
なんか見えてきた
町?
いや、祭りだ
村祭りだ

どきつい朱色の旗に
情けない水色で
「どうでもいい」
と書いてある
そういうものが
何百本も立っている

でかい
千と千尋に出てきたみたいな
建物がどかんと建っていて
トーキーや
売春や
人身売買など
やっていて
わらわら
わらわら
すげー数の
人々は

法被か浴衣か
半裸で
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