日常茶飯/salco
新世紀。
とは言いながら
殺戮の大義に明け暮れの
墓穴堀りは相も変わらず
典籍(てんせき)天窓(てんそう)に堆(うずたか)く、
歴史は繰り返すと錯覚させるが
掘り返せる遺物はあれ
繰り返せる現などありはしない
人も世も失せて行くのに
頭蓋の中を跳び回る
猿を延々飼うだけの話
朽ち葉土くれでは相応でない、
世に贖う術なしと言うお宝収めた棺箱を
深く穿った地面に手厚く埋めるには
せめて手垢まみれの札束しかあるまい
それでもいずれ土饅頭は土饅頭
屠られた遺骸には流血の黒い痕跡
生命の尊厳とやら
何ぞの物理か一個の質量が地球より大という
炭化水
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