甘い足/ヨルノテガム
音楽からバラの香りしてる
きめの細かい鍵盤は赤い淫らなストッキングをはいて
心をノックしてくる扉はドラムスの影を覆っている まるで。
琥珀の色をした酒 海のように揺らいで 満ち引きの無限を喜ぶ
鳥の遠い声を持った歌手が今日という日の
今という時間に魔術を用意していた
欠伸の次に涙が。それはいつものことだけど 涙が先に。
目を閉じると
地平線の上に
柔らかな甘い足、伸ばすでなく 折り畳むでもなく
薄青い空に絡みついて逃げようと。
雲の形をした手が 足の線に沿って指先が
触れるまえに ほどけて眠った
足の指それぞれ少し動いて
昨日と違っ
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