フリー・フォール/ホロウ・シカエルボク
 




底無しのフリーフォールのあとの呆けた感触、俺の脳髄をドロドロに浸食して明け方の赤の中に恍惚と消えて行く、致命的に微睡んだ眼差しの名前はシェイド、外界と内界は断絶されて冷却される、稼働停止した原子力発電所の隔離システムのようさ、俺のマインドは完全包囲された密室の中で壁を打ち続けるのだ、壁は強固で俺の拳では傷ひとつつけることが出来ない、拳から血が流れ始めるまでそのことに気づくことが出来ない、その血が床を打つ、そのテンポは俺に脳内にあるすべてのフレーズを吐き出させる、俺は叫ぶ、叫ぶ、隔離された場所だからこそ、心は激するのか?そのうち喉の奥が切れ、俺は言葉を失う、何かが溜まるので吐き出した
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