雨の日の仔猫/一 二
しとしと雨降る夕暮れ刻
道の片隅で、小さな猫が凍えていた
抱き上げようか迷ったが
そのまま歩いていった
しばらく歩いていると
雨が更に強くなって
洪水が起こり
雷が鳴り出し
そして何より
真っ暗闇になっていた
振り向いてはみたけれど
あの子の姿はもう見えない
今になって後悔しても
もうなんにもならない
あの子はどこにいったのだろう
ずっと濡れているのだろうか
ずっと凍えているのだろうか
真っ暗闇の雨の夜は
寂しく悲しく思い出す
濡れた体を温めながら
寂しく悲しく思い出す
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