メランコリーー道4/……とある蛙
 

冬の風を受けて
自分の道を捨てに
道を歩き続け
喜びもついでに捨てました。

道の続く十一月には
話のできる者は去り
一人歩き続けて
悲しみも捨てました。

夢を探し続けて
歩き続ける十一月の
空にはまだ雲が浮かんでいますが
苦しみもついでに捨てました。

自由な気分で歩き続けてきましたが、
自由気ままと嘘をついても
歩き続ける十一月の
退屈はそのまま落ちています。

初冬の陽射しは柔らかと
だれが言ったか曇り空
それでも奇麗な道は続き
歩き続ける十一月の
悲しみはそのまま落ちています。

道を歩いて曇り空
歩く道を捨てるため
歩き続ける十一月の
静けさだけが広がります
静けさだけが広がります。
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