白色の雲たちがやってくる街/番田 
 
にカンせずといった具合だ。やがて子供がやってきてベッドに入った。


百姓たちはかなり酔っていて激しく台無しにしてしまった田んぼについての苦労話などを聞かされた。
「あんたには、苦労ってものがわからんのだ!」
机を拳でたたき付けられて今にも壊れんばかりだった。私は手を合わせて、神様に彼らの怒りがおさまるのを願った。子供は机に置かれたチョコレートや、ポテトチップスやポッキーなどをあさっている。普段フルーツばかりを与えているとこういうことになるのだ。私は銀紙の袋の中に神の横顔のようなものを見た気がした。ゆらゆら。

*

妻が目が疲れたと言い、ベッドにはいると私も続いた。
「ごめんよ父ちゃん、ボク言っちゃったんだ。」
子供がポツリとつぶやいたので
「バカ野郎!」
と言って私は笑った。妻は眠りこけているようだった。二人の体は暖かかった。



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