白色の雲たちがやってくる街/番田 
 
音を立てる。



ニワトリがまた新しい朝を告げる。コケコッコー!、と。


家に帰ると、妻が怒っていた。
「田んぼに水をながしたのはアンタでしょう!」
私の顔は妻の怒った顔を見ると、思わず青ざめてしまっていて、顔を隠しながら脇を通り抜けようとするが、妻は笑いながら私の顔を捕まえて羽交い締めにして、警察のいる交番まで連れて行かれた。逃れることはできないらしい。


警官たちは私をそこで腕組みをしながら待っていたようだ。
「あなたが山田大五郎さんですね?お話はうかがってますのでさあ奥へ。」
そこにいたのは、子供と百姓たちで何やら宴会のようなことを繰り広げている。
「彼
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