白色の雲たちがやってくる街/番田
やがて私たちの興奮は冷めてきたので、死にかけたバスを田んぼの方に流した。バスはしばらくじっとしていたけれど目を放した隙に知らないどこかへといってしまった。
楽しかった週末も終わり月曜日の朝に新聞を開いていた。地域欄に池のことが書いてあって、田んぼの持ち主たちが激怒し、怒り狂っているとのことだった。私は目玉焼きのお代わりをツマミながらそのページをめくりテレビ欄をぼんやり眺める。妻に青ざめた顔をバレないようにしながらあとづさりするとトイレの中で用を足した。ズゴゴゴゴォー。
子供と一緒に釣りに行くと冬なのでとても寒く、マフラーをつけた人やセーターを着た人を見た。水色だったり赤だっ
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