この世のひかり/吉岡ペペロ
 


動物たちの姿かたちや行動が

彼女にあたらしい発見の興奮を与えている

動物って、食べることが重要みたい、食べるためにすごい旅したり、からだもそれに適応して進化したり、

なにかいいことを言おうとしても言葉にならなくて

ただあいづちを打つばかりだった

中原中也の詩を思い出す

長男文也と動物園にいったときの詩だ

どんな動物を見ても猫(にやあ)と言うばかりの文也が

さいごに見せた鹿だけは

つのによっぽど惹かれてか

なんとも言わず眺めてた

ほんにおまえもあのときは

この世のひかりのただなかに

立って眺めていたっけが・・・・













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