この世のひかり/吉岡ペペロ
動物たちの姿かたちや行動が
彼女にあたらしい発見の興奮を与えている
動物って、食べることが重要みたい、食べるためにすごい旅したり、からだもそれに適応して進化したり、
なにかいいことを言おうとしても言葉にならなくて
ただあいづちを打つばかりだった
中原中也の詩を思い出す
長男文也と動物園にいったときの詩だ
どんな動物を見ても猫(にやあ)と言うばかりの文也が
さいごに見せた鹿だけは
つのによっぽど惹かれてか
なんとも言わず眺めてた
ほんにおまえもあのときは
この世のひかりのただなかに
立って眺めていたっけが・・・・
戻る 編 削 Point(7)