41億光年の孤独/はだいろ
べつに、
41年間、彼女ができなかったけれど、
孤独なんて感じたことがない。
これも、おそらくは、
逆説で、
じつは、
孤独を感じないようなにんげんだから、
彼女ができなかったのかもしれぬ。
両親に甘やかされ、
祖父母に甘やかされ、
喰うに困ったことはなく、
十代はロックに夢中になり、
二十代は憂鬱にニートですごし、
三十代はひたすらに失恋し、
四十代では風俗にはまっているのだ。
だけどぼくは、
そりゃひとなみに、
恋愛したいとか、
結婚したいとか、
思わないでもないけれど、
どうしたことか、
ひどく、
ひとりでいることが好きなのだ。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)